みなさんは愛猫のキャットフードをどのように選んでいるでしょうか?昔と比べていまはペットショップ・スーパー・コンビニ・ネット通販などで様々な種類のキャットフードが売られており、どれを選んでいいか分からないということもあると思います。

この記事では猫ちゃんのキャットフードの選び方・与え方について色々な視点から解説させていただきます。

<子猫が成猫になるまで>

子猫の成長を人間年齢に換算すると以下のようになります。

・生後1カ月齢:4歳

・生後2カ月齢:8歳

・生後3カ月齢:10歳

・生後6カ月齢:14歳

・生後9カ月齢:16歳

・生後1年:18歳

・生後1年半:20歳

一般的に子猫が成猫になるのは生後1年といわれています。なので、1歳になればその子は立派な大人とみなします。

<子猫用フードと成猫用フードの違い>

子猫は短期間で体格・体重がどんどん大きくなっていきます。子猫用フードはそんな成長期に必要なエネルギーに対応できるように成猫用フードより高いカロリー設計になっています。

また、栄養成分としては高タンパク・高脂肪に設計されており、体を大きくすることに必要な成分設計になっています。また、体を守る免疫系が未発達であるため免疫を上げる為のビタミンやミネラル成分も適切なバランスで含まれています。

<成猫用フードを子猫にあげたらどうなる?>

成猫用フードを成長期の子猫に与えた場合、カロリー不足がまず問題点としてあげられます。子猫用フードなら10gで足りる量なのに、成猫用フードだとその3倍以上の量を食べないと同じカロリーが得られません。

「じゃあ必要なカロリーを得られる分だけ与えればいいんじゃない?」と考える人もいるかもしれませんがそれは間違いです。

必要カロリーを得る為にはそれだけ量を多く食べなければいけません。しかし、子猫の頃は消化器系の機能は低く、胃の大きさも小さいため一度に大量のご飯を食べると下痢をしたり吐いたりしてしまいます。

また、仮にカロリーが満たされてもミネラル・ビタミン・タンパク質などの他の栄養成分摂取量が不足するため、免疫系の低下による虚弱体質・骨格系の発育異常などが起こる可能性が高くなってしまいます。

栄養学的な面以外ではフードの「大きさ・形状」があります。子猫の頃はまだ乳歯であり、咀嚼能力も低いため成猫用フードは粒が大きすぎる・硬すぎるなどの問題で上手く食べられない・消化に悪くて吐いてしまうなどの問題点があげられます。

以上の点から子猫が健康に成長するためにはしっかりと子猫用フードを与えることが大切なのです。

<仔猫用フードから成猫用のフードにはいつ切り替えればいい?>

では具体的にいつ頃から成猫用フードに切り替えればいいのでしょうか?

本来の猫の成長から考えると成猫となる1歳が切り替え時期となってきます。

ですが、多くの飼い猫はその前に「避妊・去勢手術」を受けることが多いと思います。

避妊・去勢手術は望まれない繁殖・問題行動・将来的な病気を予防するために非常に大切です。

ただし、避妊去勢をすると今まで生殖に使われていたエネルギーが無くなるため太りやすくなります。太りやすくなったところに今まで通り高カロリーの子猫用フードを与え続けると確実にカロリー過多となり肥満になってしまいます。

よって、避妊去勢手術をしたタイミングが一般的にベストなフード変更時期です。

避妊去勢時期は動物病院によって若干時期が異なりますが生後6-7カ月齢で推奨している場合が多いですので術後から徐々にフード変更してあげられるといいでしょう。

ですが急にフードを全部新しいものに変えてしまうと食べなかったり、合わなかった場合お腹を壊してしまうこともあります。最初は今まで食べていたフードに少しずつ新しいフードを混ぜながら、徐々に割合を増やして徐々に切り替えていきましょう。

<猫種に応じたフードなら0歳から与えていい?>

ペットショップなどで「スコティッシュ用」「ノルウェージャン用」など特定の猫種専用のフードも最近は見かけるようになってきました。

そのようなフードなら0歳からでも与えていいのでしょうか?

答えは「基本的には子猫の時は子猫用を与える」です。

各猫種専用フードは将来的にその猫種がなりやすい病気を予防する成分が入っていたり、長毛種の猫では毛玉ケアが含まれた成分が入っているなど、猫種特有の起こりやすいトラブルに対応した栄養設計になっています。

ただし、多くの猫種用フードは「生後12週齢以上/避妊去勢後から」など成猫に与える前提として栄養バランス・カロリー設計になっていることが多いです。

例外として「全年齢対応」と書かれていればそのご飯でも栄養学的には大丈夫ですが、粒の大きさなどの「食べやすさ」を考えると子猫には子猫用フードを与えることがベストです。

<年齢ごとの適切な食事量と回数は?>

猫はライフステージによって消化能力・胃の大きさが変わってきます。

また、食事量に関してはご飯の種類・メーカーによってグラムあたりのカロリー数が変わってきますので一概に「何グラム」とはいえません。

大事なのはフードに表記されている推奨量を守って与えることです。

もし推奨量が分からないという場合は「必要カロリー量」を元に、そのご飯を何グラム与えればそのカロリーをとれるかを計算しましょう。

一般的に

・子猫(月齢に合わせて):体重(kg)×100~210kcal

・成猫:体重(kg)×70~80kcal

とされています。

しかし、必要カロリー数はライフステージ、肥満/痩せ気味/避妊去勢をしているか/病気の有無etcなど様々な要素により変わってきますのでその子の状態にあった必要カロリーが満たせるようにしてください。

食事回数に関しては子猫のうちは消化能力・胃の容積が未発達なので1日量を4~5回に分けて少量頻回で与えてあげましょう。

成猫は1日2~3回くらいに減らしてあげましょう。

時々、置き餌式で1日の量をまとめて一気に与える飼い主さんもいますが「ダラダラ食い」の癖がついてしまい肥満の原因となったり、どのくらい食べているのかが把握しにくいのでできれば避けましょう。

時間が経つにつれて風味や匂いも落ちてしまうので食いつきの悪さにもつながりますし、衛生面からもあまりオススメできません。

高齢期になると消化能力が落ちることもありますので、一度に多くの量を食べると吐いてしまう子などは1日3~4回にしてあげるといいでしょう。

<年齢別のフード選びに大切な要素は?>

年齢・ライフステージにおいて食事に大切な要素は変わってきます。

【子猫時代】(0-1歳まで)

●しっかりと栄養のあるご飯を食べて体を大きくする時期

・高タンパク、高脂質、高カロリー

・成長期に必要なビタミン・ミネラルなどの栄養素がバランスよくしっかりと含まれている

・小粒で食べやすいサイズと食感/硬さ

【アダルト期】(1~6歳)

●大人になったがまだまだ活発。太りすぎには注意

・オヤツやフードを与えすぎないようにフード量と体重管理をしっかりと。

色々な種類のご飯が食べられるようになってついつい与えすぎたりしてしまうことに注意。避妊去勢手術というイベントもあり、この時期に肥満体型になってしまうことが多い。

・肥満気味の子はダイエットフード

食物繊維が多めに設計されているダイエットフードは満腹感を維持しつつ低カロリーに設計されています。肥満の猫は糖尿病になるリスクが高いですので太っている子は早めのダイエットを心がけましょう。

・太っていない子でも避妊去勢後は「避妊去勢後用フード」を選ぶ。

避妊去勢後に今までのフードを同じ量で上げ続けると確実に太ってしまいます。

避妊去勢後のフードはダイエットフード程ではないですが、低カロリーに設計されていますので肥満予防としてオススメです。

もし今までの成猫用ご飯を与えたいのであれば量は少なくしましょう

【中高齢期】(7歳~11歳)

●いわゆるシニア期に入ってくる時期。病気が発症することも多いので健康状態に注意。

・活動性に合わせたカロリー、栄養設計

個体差はありますが徐々に筋力や活力が衰えてくる時期でもあります。早めに関節や腎臓に考慮した成分設計になっているご飯を与えることで早いうちから病気を予防することが大切です

・塩分の濃いオヤツ/ご飯の与えすぎは注意

猫は高齢になるにしたがって腎臓が悪くなってくる場合が多いです。塩分は腎臓に負担をかける為、味の濃いオヤツや人間の物を与えるのはやめましょう。

【高齢期】(12歳~)

●おじいちゃん・おばあちゃんの時期。本人に負担の少ない食生活を

・食べにくそうな子には小粒やウェットフードを

高齢になると噛む力が弱くなったり、歯周病で口が痛くて固いもの・大きいものが食べづらくなることがよく見られます。

ドライフードであれば小粒・サクサクした固すぎない形状のものにしてあげましょう。缶詰・パウチなどのウェットフードを取り入れてあげるのもオススメです。

・腎臓に考慮した高齢期フードに

猫は高齢になると多くの子が腎臓病になります。程度は様々ですが、初期の腎臓病だと血液検査では現れないこともあります。血液検査で腎臓の数値に問題なくてもこの時期には腎臓に考慮したシニア期/高齢期用のご飯を与えましょう。

・高カロリーなご飯

若い時より食欲が落ちたり、病気によって食べる量が少なくなってしまう猫ちゃんが多いです。少ない量でもしっかりとした量が取れるようにカロリーが高めのご飯を選んであげましょう。

猫ちゃんの様々なライフステージにおけるご飯を解説させていただきましたがいかがだったでしょうか?

毎日食べるご飯は健康的な生活・病気の予防に非常に大切です。愛猫がより健康的に長生きできるようにその子の年齢・体質に合わせたご飯を用意してあげましょうね。

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